受変電|認定キュービクル改造って可能なの?

今回の疑問

 

認定キュービクルの改造って可能なの?

 

結論

改造は可能です。

が改造を行う際の内容は検討と協議を行う必要があります。

  • 同じ規格のブレーカー、計器類の取り換えであれば更新とみなされ交換が可能
  • ブレーカーの容量、個数、メーカーの変更であれば仕様が変わるため不可
  • 製造元の盤メーカーに変更点を確認し認定品の基準を満たしているかの確認が必要

 

 

本記事の内容

 

今回は、キュービクル改造の際の注意点について解説したいと思います。現地調査や、客先要望などでキュービクルの改造を行う際に、改造して問題ないか疑問に思ったことはないでしょうか。そういった方の解決になると思いますのでよろしくお願いします。

 

本記事のおすすめの方

 

  • 認定キュービクルの改造が可能か気になる方
  • 改造を行う際の注意点について知りたい方
  • どこまでの改造が可能か知りたい方

 

現地調査にて既設のキュービクルを確認したところ・・・

とある現場の改修工事において、負荷の増設、危機の老朽化等により既設キュービクルの改造が必要となりました。既設のキュービクルを確認したところ[認定品]と記載された銘板が取り付けてあったのですが、キュービクルの改造は可能でしょうか。

図面の認定キュービクル記載例図面の認定キュービクル記載例

認定品の改造について

既設キュービクルに[認定品]と記載された銘板が取り付けてあった場合、盤メーカー及び所轄の消防と協議を行えば可能です。が…改造内容が限定的であり多くの場合で不可能の場合が多いです。

距離理由は、[認定品]銘板が取り付けてあるキュービクル(以下認定キュービクル)は、非常電源専用受電設備の適用を受けており、改造を行うと認定品の規格から外れ非常電源専用受電設備また建物との離隔距離の適用受けることができなくなる場合が多いためです。

分布

キュービクル認定品による利点
  • 非常電源専用受電設備の適用
  • 建物との離隔距離の緩和

 

 

認定キュービクルを改造した場合の銘板取り消し認定キュービクルを改造した場合の銘板取り消し

ラベルによる注意書き

 

 

キュービクル改造がだめってどこかに書いているのかい?

 

 

認定キュービクルには、正面扉の裏面に次のようなラベルが貼付されているんだよ

 

「このキュービクル式非常電源専用受電設備は認定品であり、このキュービクルを

増設・減設・改造するときは、必ずキュービクル製造業者と事前協議してください。

またこのキュービクルは、消防法に基づく非常電源であり、

所轄消防署と事前協議を行い、改造内容や届出等の指示を受けてください」

 

 

 

一般社団法人日本電気協会のキュービクル式非常電源専用受電設備認定委員会より

キュービクル式非常電源専用受電設備が消防法上の技術基準に適合していることを認定し、消防用設備等の非常電源を確実に確保することを目的として、昭和50年10月に発足した委員会のホームページ内の”キュービクル式非常電源専用受電設備認定制度のご紹介”にも改造した際の回答が記載されています。

出典:(キュービクル式非常電源専用受電設備認定制度のご紹介(パンフレット))より

キュービクル製造業者と事前協議

 

 

  • キュービクルの製造業者との主な確認内容は下記になります。
  • 同じ規格のブレーカー、計器類の取り換えであれば更新とみなされ交換が可能です
  • ブレーカーの容量、個数、メーカーの変更であれば仕様が変わるため不可です
  • 製造元の盤メーカーに変更点を確認し認定品の基準を満たしているかの確認が必要になります

 

所轄消防署と事前協議

 

所轄の消防署とも協議が必要なのか?

 

 

協議というより報告に近いね!改造を行った場合、その旨と認定品の適用に問題がないことを報告しておこう!

 

・改造の内容及び認定品の基準を満たす旨を報告し保安上問題ないか協議を行います。

認定品の規格内での改造が可能な場合、消防に変更の旨を報告し、無断での改造を行わないよう注意が必要です。

盤メーカーの注意事項

盤メーカーのカタログにも注意書きとして改造を行う際は、事前協議を行うように記載されています。

 

認定キュービクルの増減設・改造

 

●手続き

a.認定キュービクルは消防庁告示基準に適合する非常電源であり、製造者は出荷時点での回路条件等により認定基準・設計基準により制作し、認定銘板を貼付し納入するものです。

b.従って納入後に増設・減設又は改造する場合には認定基準に適合するように再検討が必要となります。すなわち‘’保護協調はよいか‘’、‘’非常電源に対する影響はどうか‘’等、認定基準等にてらしての検討が必要であり、必ず製作者と事前に協議してください。

c.ユーザーはその内容により所轄消防署と協議をし、その指示のもとに増減設・改造の工事に着手することになります。

出典:(中立電機HP)より

 

設計時のポイント

設計時に認定キュービクルを選定する場合は将来の改修を考慮して予備ブレーカーを設置しておくと負荷が増えた場合でも予備ブレーカーに接続するのみとなるため認定キュービクルの改造に該当せずまま使用することが可能です。

 

まとめ

 

認定キュービクルの改造について

 

  1. 認定キュービクルは、消防法施行規則第12条の規定に基づくキュービクル式受変電設備の基準(昭和50年、消防庁告示第7号)に適合しているものである。
  2. 構造性能等の技術的な審査、使用機器、材料の規格適合などについて(社)日本電気協会が認定を行ったものが認定品として適用を受ける。
  3. 改造する場合には、メーカーと技術面及び保安面について事前協議を行うと共に所轄の消防署の指導を仰ぐことが必要となる。

改造とならないもの

  • 同一メーカーの同一規格(形式、定格電流、フレーム容量が同一のもの)の機器交換

改造となるもの

  • 機器の容量変更
  • 型式の異なる器具への交換等

また、全く同一の製品と交換する場合にも念のためキュービクルメーカーに照会しておくことが賢明です。『認定品』という規格と取っている以上規格から外れる改造は、『認定品』でなくなるという認識が必要です。

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