【受電】PASの選定方法|VTの設置基準と計画のポイント
PASのVTの有無ってどうやって判断しているの?
SOG(地絡継電器)の100Vの電源供給が必要となり、この電源供給元としてVT(変圧器)を内蔵したPAS(気中負荷開閉器)の選定が必要になる
SOGへの供給方法は2通りありどちらを選択するかによりVTの有無を決める
- PAS(気中負荷開閉器)にVT(Voltage Transformers)を内蔵し供給する
- 需要家内の低圧配電盤より専用回路にて供給する
今回は、PAS(気中負荷開閉器)のVT(制御用トランス)選定方法について解説したいと思います。電気設備工事においてPASの設置を行うことがあるかと思います。PASの仕様のVTと記載されているけど、どういった基準で選定しているの?仕様用途は?といった疑問について解説していますので、PASのVTについて詳しく知りたい方はぜひ最後までご覧ください。それではよろしくお願いします。
PAS(気中負荷開閉器)のVTとは。
PAS(気中負荷開閉器)には、制御装置としてSOG(地絡継電器)が取り付けられています。
このSOG(地絡方向継電器)を動かすためには、100Vの電源供給が必要となります。
この電源供給元としてVT(変圧器)を内蔵したPAS(気中負荷開閉器)の選定が必要になります。

SOG(地絡継電器)への電源供給方法
SOGへの電源供給方法は主に下記項目になります。
- PAS(気中負荷開閉器)にVT(Voltage Transformers)を内蔵し供給する
- 需要家内の低圧配電盤より専用回路にて供給する
供給方法の選定基準は?
SOGの電源供給方法の選定基準について解説致します。基本的にPAS(気中負荷開閉器)にVTを内蔵させて供給する方法が主になります。
その理由は下記に記載致します。
- PASからの供給となるため、PAS以降2次側(受変電設備や単相変圧器)の改修時でも電源を供給し続けることができる
- PAS~SOG(気中負荷開閉器)間は付属ケーブルにて接続されているため別途配線が不要
- PASに内蔵されているため雷保護対策として有効となる
- 受変電設備や単相変圧器の改修時に電源の供給ができない
- 低圧からの供給となるため専用のVTを設置する必要がない
- 配電盤~PAS間に電源ケーブルの敷設が必要となる
- PAS(気中負荷開閉器)にVT(Voltage Transformers)を内蔵し供給する
- 需要家内の低圧配電盤より専用回路にて供給する
この二つの供給方法を比較した場合、VT内蔵方式のほうが
- メンテナンス性に優れている
- コスト的に安価になる場合が多い
- 雷保護対策になる
以上の点により一般的にPASにVTを組み込む方式が優位性があるため
採用されていることが多くなります。
SOGのケーブル接続写真
- VT内蔵形ではない場合、外部から電源供給を行うよう記載されています。ケーブルサイズは”CVV1.25‐2C”以上を準備しましょう。
- VT内蔵形のSOGには、扉に注意銘板が記載されているので既存改修などの際は確認を行いましょう。
- 逆にVTなしの場合、外部電源より供給するよう記載されていますので取り付けの際はどちらの機種か確認を行いましょう。
まとめ
VTの用途
- SOG(地絡継電器)の100Vの電源供給が必要となり、この電源供給元としてVT(変圧器)を内蔵したPAS(気中負荷開閉器)の選定が必要になる
SOGへの電源供給方法
- PAS(気中負荷開閉器)にVT(Voltage Transformers)を内蔵し供給する
- 需要家内の低圧配電盤より専用回路にて供給する
VTの選定理由
- 改修時でも電源供給可能
- PAS~SOG(気中負荷開閉器)間の別途配線が不要
- 雷保護対策として有効となる
図面上の表現
例:PAS200A LA・VT内蔵 方向性
と記載し仕様の抜けが無いよう注意しましょう。PASの仕様上VTなしの場合配電盤から電源供給を行わなければならないので追加工事とならないように事前に検討しておきましょう。

