NFBの第1次機能は事故電流を安全に遮断す
ることであり、このため
(電技38条5項及び内規150節5)において
「過電流遮断機はこれを施設する箇所を通過
する短絡電流を遮断する能力を有するもので
なければならない」
ここでいう短絡電流とは金属による完全短絡
を考えて、推定される短絡電流の最大値をも
って定義し、これを計算等により推定しこれを
上回る遮断容量をもったNFBを選定するのが
原則である。
しかしながら電技によると、低圧電路に限って
短絡事故点及びNFBの遮断容量について、
下記により考えてよいことになっている。 |
 |
| 1.主遮断器としてのNFB
1-①主配電盤の母線までの電路が裸導体で
ある場合には主遮断器としてのNFBは、その
負荷側端子(図 X 1)における短絡電流よりも
大きい遮断容量を有する事。
A > X 1
1-②主配電盤の母線までの電路が絶縁電線
ケーブルまたは絶縁バスダクトでもって施設さ
れている場合には主遮断器としてのNFBはその
延長上の母線(図 X2)における短絡電流より大
きい遮断容量を有する事。
A > X2 |
| 2.フィーダのNFB
2ー①分電盤に至るフィーダが裸導体により施
設される場合にはフィーダ用遮断器としての
NFBはその負荷側端子(図 X3)における短絡
電流よりも大きい遮断容量を持つこと。
A1 > X3
2-②分電盤に至るフィーダが絶縁電線ケー
ブルまたは絶縁バスダクトにより施設される場
合には、フィーダ遮断器としてのNFBは、分電
盤電源端子(図 X4)における短絡電流よりも
大きな遮断容量を持つこと。
A2 > X4 |
| 3・分電盤主遮断器としてのNFB
NFBはその負荷端子(図 X5)における短絡電
流よりも大きな遮断容量をもつこと。
A3 > X5 |
| 4・分岐回路のNFB
第1負荷点(図 X6)における短絡電流よりも大
きな遮断容量を持つこと。 |
| 300KVA以下の変圧器のもとにおけるNFB
100V 200V級の単相及び3相で、300KVA以下
の変圧器から供給される電路の短絡電流は下
表のように考えてよい。 |
| 電路の区分 |
定格電流
(A) |
最大短絡電流
(A) |
100KVA以下の
変圧器から
供給される電路 |
30A以下 |
1500A |
30Aを
超えるもの |
2500A |
100KVAを超え
300KVA以下の
変圧器から
供給される電路 |
30A以下 |
2500A |
30Aを
超えるもの |
5000A |
|
したがって、上記の電路に施設されるNFB
は少なくとも上表の最大短絡電流より大きな
遮断容量をもっていなければならない。 |