電圧降下 規定と計算方法
電圧降下 規定と計算方法
電圧降下許容値一覧表
【内線規程による】
| 供給変圧器の二次側端子又は引込線取付点から最遠端の負荷に至る間の電線のこう長(m) | 電圧降下 | |
|---|---|---|
| 電気使用場所内に設けた変圧器から供給する場合 | 電気事業者から低圧で電気の供給をうけている場合 | |
| 60m以下 | 幹線:3%以下 分岐回路:2%以下 |
幹線:2%以下 分岐回路:2%以下 |
| 60m超過~ 120m以下 |
合計5%以下 | 合計4%以下 |
| 120m超過~ 200m以下 |
合計6%以下 | 合計5%以下 |
| 200m超過~ | 合計7%以下 | 合計6%以下 |
内線規程の電圧降下要点
『内線規程1310-1 1』低圧配線中の電圧降下は、幹線及び分岐回路において、それぞれ標準電圧の2%以下とすること。ただし、電気使用場所の変圧器により供給される場合の幹線の電圧降下は3%以下とすることができる。
【注1】引込線取付点から引込口までの部分も幹線に含めて計算すること。(引込線取付点とは架空引込線と幹線を接続する箇所)
【注2】電気使用場所内に設けた変圧器から供給する場合は、その変圧器の二次側端子から主配電盤までの部分も幹線に含める。
上記から、低圧受電の幹線とは引込線取付点から主配電盤まで、高圧受電ではトランスの二次側端子から配電盤までが幹線となります。
電圧降下の計算式
電圧降下の計算式は、屋内配線など比較的に電線こう長が短く、また、電線が細い場合に使用できる簡易式と、集合住宅の幹線など、電線こう長が長く、大電流を扱う場合に使用する基本式の2通りがあります。
基本式の計算は電線メーカーの資料にてZインピーダンスの値を確認する必要があり面倒ですが、簡易式で計算すると基本式よりおおよそ20%減の電圧降下の値となり、幹線を簡易式で計算するのは避けたほうが良いです。
電圧降下計算式(基本式)
e=K1×I(Rcosθr+Xsinθr)×L
=K1×I×Z×L
- e:電圧降下(V)
- K1:配線方式による係数
- 単相2線、単相3線の電圧線間に対し【2】
- 単相3線、三相3線の電圧線~中性線間に対し【1】
- 三相3線、三相4線の電圧線間に対し【√3】
- I:電流値(A)
- Z:インピーダンス(Ω/km)
- (各メーカーのカタログに記載あり)
- L:電線のこう長(km)
- ※注 kmです。50m=0,05km
- R:電線1kmあたりの交流導体抵抗(Ω/km)
- (各メーカーのカタログに記載あり)
- X:電線1kmあたりのリアクタンス(Ω/km)
- (各メーカーのカタログに記載あり)
- cosθr:負荷端力率
- (電灯回路は0.8-1.0、動力は0.75-0.8目安、sinθr=√1-cosθr2)
電圧降下計算式(簡易式)

電圧降下の計算式例(基本式と簡易式の差)
- 計算条件
- ・単相3線式 電圧線-中性線間 60Hz
- ・電流200A
- ・CVT100sq 力率1.0
- ・亘長50m
- ・ケーブルは住電日立ケーブル
- 基本式
- e=係数1×200A×0.240Ω/km×0.05km=2.4V
- 簡易式
- e=係数17.8×50m×200A/1000×100=1.78V
日立住電ケーブル Zインピーダンス表


